昨今のSNSマーケティングは企業にとって重要な役割を持ち、見込客の来店促進やファンの創出などさまざまな影響を与えています。
SNSによりユーザー層や特徴が異なりますが、その違いを理解することで、より精度の高いターゲティング・集客においての戦略を立てることが可能となります。
本記事では、6大SNS「LINE、Twitter、Facebook、Instagram、TikTok、YouTube」の特徴やユーザー数、年齢層の比較についてご紹介します。
現在公式では発表されていない推定ユーザー数も総人口などから割り出していますのでご参考にしていただければと思います。
各SNSの比較
まずは、SNS全体のユーザー数の割合を見てみましょう。
上記のグラフは、代表的なSNS「LINE、Twitter、Instagram、Facebook、TikTok、YouTube」の利用率(月に1回以上利用)について、NTTドコモ モバイル社会研究所が2022年1月に調査したものです。
およそ5人に4人がLINEを利用しているという計算になります。コミュニケーションインフラの一部となっているLINEの利用率はやはり群を抜いています。
以下からは、それぞれのSNSの特徴やユーザー数、年齢層の比較について紹介していきます。
LINE
月間ユーザー数
公式による最新データは、9,700万人(2024年3月末)。公式によると国内人口の70%をカバーしているとのことですので、ユーザーの10人に7人がLINEを利用しているという計算になります。
年代
主に全世代。60〜70代以上のユーザーがおよそ70%もいる唯一のSNSでもあります。
性別
公式で発表されている性別でのユーザー比は「女性 55.6%、男性 44.4%」となっており、やや女性が多いもののおよそ半々でばらつきの少ないSNSであることがわかります。
特徴
LINEは、日本国内最大のユーザー数を誇るチャット機能をメインとしたSNSです。
マーケティングにおいては、LINE 広告やLINE 公式アカウント等の活用でさまざまな集客に役立てられます。
なかでもLINE 公式アカウントは、無料で活用できる機能が非常に充実しているためマーケティングに適したSNSであるといえます。
主なマーケティング手法
- LINE 広告
- LINE 公式アカウントなど
-メッセージ配信(フリープランであれば 1,000通/月)
-クーポン配信
-リッチメニューの活用
-ショップカード(ポイントカード)
-チャット機能(メッセージ配信にカウントされないためお得)
–LINE コール(通話・ビデオ通話機能)
LINE公式アカウントで週に1回ほどメッセージ配信すると、ユーザーから「忘れられる」といったことも防げます。
メッセージ配信やリッチメニューを活用することで予約獲得・リピーター育成につなげられます。
月間ユーザー数
公式:4,500万人以上(2017年10月時点)。
現在公式で発表されていませんが、令和二年度 総務省のデータによると、ユーザー数は 42.3%(※1)。
本グラフの令和四年度 NTTドコモ モバイル社会研究所のデータによると、ユーザー数は 41.6%。
令和二年度の総人口(※2)が 1億2,622万7千人(126,226,568)・令和四年二月度の総人口(※3)が 1億2,519万4千人(125,193,701)。
よって、推定ユーザー数は 5,200万〜5,300万人程度と考えられます(52,080,579〜53,394,021人)。
年代
主に10〜50代。年代が上がるごとにユーザー層は少しずつ減少していく傾向にあります。
性別
公式での発表はないものの、総務省のデータ(※1)によると性別でのユーザー比は「女性 41.8%、男性 42.7%」となっておりそれほど差はありません。
特徴・マーケティング手法
Twitterは、140文字のツイートで自分の意見や最新情報を発信することができます。
「リツイート(引用リツイート)」や「いいね」をしてもらうことで、自分が発信したビジネス情報を拡散される可能性もあります。
マーケティングにおいては、Twitter 広告、ツイートなどがあり、新商品や現在販売している商品の情報発信などにも向いています。
また、ハッシュタグをつけてユーザー参加型のキャンペーンのツイートをすることで一層の拡散も期待できます。マクドナルドやローソンなどのツイートが参考になるかもしれません。
ヒント
ツイート…自分の投稿のこと。
リツイート…誰かの投稿を自分のタイムラインにそのままツイートすること。
引用リツイート…リツイートしたい投稿に、コメントを追加できる機能のこと。
月間ユーザー数
公式:2,600万人以上(2019年7月)。
現在公式で発表されていませんが、令和二年度 総務省のデータによると、ユーザー数は 31.9%(※1)。
本グラフの令和四年度 NTTドコモ モバイル社会研究所のデータによると、ユーザー数は 24.4%。
令和二年度の総人口(※2)・令和四年二月度の総人口確定数値(※3)より、推定ユーザー数は 3,000万〜4,000万人程度と考えられます(30,547,263〜40,266,275)。
年代
全体的に利用率は低い傾向にありますが、主に20〜60代の働き世代。役職や勤務先の登録ができるため、ビジネスユーザーも多い印象です。
性別
公式での発表はないものの、総務省のデータ(※1)によると性別でのユーザー比は「女性 31.4%、男性 32.4%」となっており、それほど差はありません。
特徴・マーケティング手法
Facebookは基本的に実名登録のため、匿名性の強いSNSよりも「リアルな知り合い」が多いのが特徴です。
Facebookは実際に在学していた中学校・高校・大学・現在の勤務会社(過去に勤務していた会社)・年齢・おおよその住所を、大半のユーザーが登録しています。
「北海道在住 男性 30歳 趣味関心:車が好き」というように、Facebookには必要な情報が最初からある程度そろっているため、広告の面においてもターゲティングがしやすいことがメリットです。
マーケティングとしては、ビジネスの投稿をしたり、Facebook 広告などが挙げられます。
Facebook 広告は、実際に成果につながったユーザーに興味関心が似ている「属性が近いユーザー」がターゲティングされるという仕組みも強みのひとつです。
月間ユーザー数
公式:3,300万人以上(2019年3月時点)。
現在公式で発表されていませんが、令和二年度 総務省のデータによると、ユーザー数は 42.3%(※1)。
本グラフの令和四年度 NTTドコモ モバイル社会研究所のデータによると、ユーザー数は 35.6%。
令和二年度の総人口(※2)・令和四年二月度の総人口確定数値(※3)より、推定ユーザー数は 4,500万〜5,300万人程度と考えられます(44,568,957〜53,394,021)。
年代
主に10〜40代。年代が上がるごとにユーザー層は少しずつ減少していく傾向にあります。
性別
公式での発表はないものの、総務省のデータ(※1)によると性別でのユーザー比は「女性 49.4%、男性 35.3%」となっており、若干女性ユーザーが多いSNSであることがわかります。
特徴・マーケティング手法
Instagramは基本的に、画像やショート動画などビジュアルで訴求するSNSです。
マーケティングとしては特に、Instagram 広告、フィード投稿、ストーリーズなどが挙げられます。
飲食店・カフェ・観光業・販売店など、実際に写真を見て「ユーザーが来店したい」と思う業種が特に向いているでしょう。
また、最近では雑誌のような「マガジン化」された投稿も人気があります。
商品を使った便利機能やノウハウ系からユーザーを取り巻くこともできるでしょう。新商品や、現在販売している商品の情報発信などにも向いています。
ヒント
フィード投稿…写真や文字などを入力した通常の投稿のこと。
ストーリーズ…24時間で消える投稿のこと。ストーリーズに投稿したものを「ハイライト」と呼ばれるフォルダに分類することで24時間経過しても見ることができます。
TikTok
月間ユーザー数
公式:950万人以上(2019年2月時点)。
現在公式で発表されていませんが、令和二年度 総務省のデータによると、ユーザー数は 17.3%。
本グラフの令和四年度 NTTドコモ モバイル社会研究所のデータによると、8.5%。
令和二年度の総人口(※2)・令和四年二月度の総人口確定数値(※3)より、推定ユーザー数 1,100万〜2,200万人程度と考えられます(10,641,464〜21,837,196)。
しかし、YouTubeやInstagramのショート動画作成コンテンツの普及などにより、個人的にはもう少しユーザー数がいるのではと感じます。
年代
主に10〜20代。年代が上がるごとにユーザー層は少しずつ減少していく傾向にあります。
性別
公式での発表はないものの、総務省のデータ(※1)によると性別でのユーザー比は「女性 19.4%、男性 15.3%」となっており、若干女性ユーザーが多いSNSであることがわかります。
特徴・マーケティング手法
TikTokは主に15秒・60秒・3分から構成されるショート動画形式のSNSです。ターゲットとするユーザー層が若年層であるなら一層おすすめのSNSです。
マーケティングとしては、TikTok 広告・動画投稿が挙げられるでしょう。
手軽に情報収集できる時代ですので「効率的に良い情報を知りたい」というユーザーが増えています。
ビジネスの目的によりさまざまですが、情報発信するのであれば有益な情報を端的にまとめた動画を何本も投稿することをおすすめします。
ファンの創出から来店動機につながる可能性もあります。
YouTube
月間ユーザー数
公式:6,500万人(2020年12月)。
現在公式で発表されていませんが、Nielsenのデータによるとおよそ6,700万人(2021年11月時点,18歳以上のユーザー)。
年代
年代が上がるごとにユーザー層は少しずつ減少するものの、全体的なユーザーの多さから非常に人気のSNSであるということがわかります。
現代はテレビと同等、またはそれ以上の視聴時間をYouTubeに費やしているともいわれています。そのため、ビジネス発信の場においても非常に効果的であるといえます。
性別
公式での発表はないものの、総務省のデータ(※1)によると性別でのユーザー比は「女性 82.5%、男性 87.9%」となっており、それほど差はありません。
特徴・マーケティング手法
YouTubeは、アップロード時間が最大256GB、または12時間のいずれか小さい方までの動画を投稿ができるSNSです。
マーケティングの場においては、YouTube 広告や動画投稿などが挙げられます。
影響力のあるSNSなので、ファンの創出から来店動機につながる可能性もあります。
しかし、投稿内容によっては思いもよらない些細なことがきっかけで炎上する可能性もゼロではありません。ある程度発言に留意する必要もあります。
YouTubeアプリの仕様(スマホ版)は現在、画面内に固定で「ショート」が下段に表示されています。
10分前後の動画が主流であるYouTubeも、TikTokの影響などから「ショート」動画に注力している傾向にあります。
さらぶ、2023年2月からショート動画での収益化が始まりました。ショート動画で収益を得るためには条件がございますので詳しくはこちらを御覧ください。
ショート動画は、チャンネル登録していないユーザーにも、おすすめ動画がどんどん表示されていきます。
ユーザーのいいねや視聴履歴が加味され、興味関心が近いユーザーに動画が配信されていくため、チャンネル登録者数の増加が期待できます。
チャンネル登録者数に伸び悩まれている方は、メイン動画を出しつつ「ショート動画」を投稿し続けましょう。
新たに撮影することが面倒であれば、過去に投稿した動画の「切り抜き」を投稿するのもおすすめです。
切り抜き動画を1本制作することで、TikTokやInstagramにも流用可能です。
(※1)令和2年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書|総務省情報通信政策研究所
(※2)令和2年国勢調査 人口速報集計結果 全国・都道府県・市町村別人口及び世帯数|総務省統計局
(※3)人口推計(令和4年(2022年)2月確定値、令和4年(2022年)7月概算値)2022年7月20日公表|総務省統計局
ユーザー数「全体」〜「TikTok」グラフ数値出典:2022年一般向けモバイル動向調査|モバイル社会研究所
YouTubeグラフ数値出典:2021年11月Monthly Total レポートトータルデジタル視聴者数Top5 動画ストリーミング、音声ストリーミング|Nielsen
まとめ
今回は各SNSの特徴や年齢層などについてご紹介しました。SNSのユーザー数が多くても、顧客の年齢や特性に当てはまらないとターゲットに届かない可能性もあります。
それぞれのユーザー層を把握することで、「どの媒体でビジネス情報を発信すると良いのか」が検討できるようになります。
闇雲に手をつけるよりも「ターゲットに届くSNSなのか」を考え、最終目的を考慮し情報発信をしていきましょう。