
昨今、生活インフラとなっているLINE。2023年2月時点で、国内ユーザー数は9,300万人にのぼります。
また、以下のグラフからわかる通り、主要SNSと比較してもユーザー数の多さは群を抜いています。

SNSのユーザー数はおよそ40代から減少する傾向にあるなかで、LINEは60〜70代以上のユーザーが約7割もいる唯一のSNSです。
国内では10人に7人がLINEユーザーであり、これだけ多くの年代層をカバーしているSNSを「集客の手段」として利用しない手はありません。

LINEをビジネスで活用するなら「LINE 公式アカウント(旧:LINE@)」がおすすめです。
今回は、LINE 公式アカウントの使い方や機能・活用法などをご紹介します。店舗での集客やその他のツールとして活用する際のご参考にしてください。
※当記事ではLINE 公式アカウントで友だち登録していると仮定し、お客様を「友だち」として記載しています。
LINE 公式アカウントのポイント5つ
LINE 公式アカウントを利用するにあたり、おさえておきたいポイントを5つご紹介します。
①料金プランについて
LINE 公式アカウントの料金プランには以下の3種類があります。
フリープラン | ライトプラン | スタンダードプラン | |
---|---|---|---|
月額固定費 | 0円 | 5,000円 | 15,000円 |
無料メッセージ数 | 1,000通 | 15,000通 | 45,000通 |
追加メッセージ料金 | 不可 | 5円 | 〜3円 |
フリープランであれば友だちが100人なら10回、200人なら5回のメッセージ配信が無料でできるということになります。
友だちが1,000人以上の場合、フリープランではメッセージ数が不足するためライトプラン以上を選択する必要があります。友だちの人数や配信数に応じた料金プランの選択をしましょう。
そして、本年の6月1日に料金プランが改定されることとなりました。6月1日からは以下の料金プランが適用されます。
コミュニケーションプラン | ライトプラン | スタンダードプラン | |
---|---|---|---|
月額固定費 | 0円 | 5,000円 | 15,000円 |
無料メッセージ数 | |||
追加メッセージ料金 | 不可 | 〜3円 |
ライトプランは1通あたり5円支払えば追加でメッセージの配信が可能でしたが、6月1日からはできなくなります。
また、それぞれの無料メッセージ数も少なくなっています。料金プランを節約したい場合、今後は工夫して一度のメッセージ配信をいかに濃くするかが対策のカギとなるでしょう。
②バッジの違いについて
LINE 公式アカウントでお馴染みのバッジの違いについては、グレーが「未認証アカウント」紺色が「認証済アカウント」となっています。

比較 | 未認証アカウント | 認証アカウント |
個人/法人 | 個人、法人問わない | 法人(個人名では作成不可) |
審査について | 審査不要 | 審査を追加したアカウント |
上記のバッジが緑色のものは「プレミアムアカウント」といい、認証済みアカウントの中でもさらなる審査を通過した企業に送られるバッジです(審査内容は非公表)。
③認証済アカウントでできること
- LINE 公式アカウントで検索対象となる
- 友だち追加広告が利用できるようになる
- 販促用ポスターを無料でダウンロードできる
- 有料ノベルティ(のぼりやPOPなど)の発注が可能となる
- 支払い方法に追加で請求書決済が利用可能となる

LINE 公式アカウントで検索した場合
認証済アカウントの場合、以下のようにキーワード検索の際に検索結果画面に表示されるためユーザーから発見されやすくなります。また、認証済みアカウントはユーザーに信頼を与えられます。

④認証済アカウント申請時の注意点
認証済アカウント申請時の注意点は以下の通りです。
- 審査には約5〜10日営業日ほどかかる(2023年2月現在 公式サイトより)
認証済アカウントを申請している期間は、未認証アカウントとして問題なく利用できますが「友だち追加広告」などを出稿したい場合は早めに申請する必要がある - 認証済アカウントに変更するとアカウント名の変更はできなくなるため正式名称をきちんと入力する
- 本人確認の可能性も有るため、メールアドレス・電話番号などは審査に関わるため全て正しく入力する
- 個人アカウントから公式アカウントには移行できない
⑤アカウントの管理者について
LINE 公式アカウントは複数人での運営も可能です。権限には4種類に分かれており、内容は以下の通りです。
- 管理者…全権限が与えられる
- 運用担当者…メンバー管理以外の権限が与えられる
- 運用担当者(配信権限なし)…配信の権限がない
- 運用担当者(分析の閲覧権限なし)…分析閲覧の権限がない
管理者 | 運用担当者 | 運用担当者(配信権限なし) | 運用担当者(分析の閲覧権限なし) | |
---|---|---|---|---|
メンバー管理 | ○ | × | × | × |
メッセージ作成 | ○ | ○ | ○ | ○ |
メッセージ配信 | ○ | ○ | × | ○ |
分析の閲覧 | ○ | ○ | ○ | × |
アカウント設定の変更 | ○ | ○ | ○ | ○ |
メッセージ配信
従来のマーケティング方式は「メルマガ」が主流でした。しかし現在では気軽に友だち登録でき、古いメールに埋もれる心配の少ないLINEにシフトしつつあります。
極力ブロック率を抑えるためには、お店のファンを増やしたり、友だちにとっていかに有益な情報配信ができるかという点が重要となるでしょう。
普段よく目にする名称は以下の通りです。
- テキスト配信…テキスト形式での配信(500文字まで入力可能)
- 画像…画像形式での配信(動画やボイスメッセージは最大200MBまで)
- スタンプ
- リッチメニュー


要素
LINE 公式アカウントでは、メッセージ・画像・スタンプそれぞれが1要素となり、1度の配信で3要素まで配信可能です。

メッセージ配信の種類(カードタイプ)
友だちの印象に残るような配信をしたい際には「カードタイプメッセージ」を活用しましょう。テキストで配信するよりもわかりやすく、ビジュアル面でも商材の訴求ができます。

カードタイプは最大9枚まで設定可能ですが、クリック率が高いのは1〜2枚目と言われています。特に訴求したいものを先頭側に配置するようにしましょう。
また以下の4種類があります(以下はすべてサンプル)。
①プロダクトタイプ

②ロケーションタイプ

③パーソンタイプ

④イメージタイプ

配信予約機能
メッセージ配信には配信予約という送信予約機能があります。事前に配信予約をする際にも便利です。
設定方法
- ホーム
- メッセージを作成
- 配信日時:任意の時間を設定する
- メッセージなどを入力
- 配信
配信予約機能はバレンタインやクリスマス、お歳暮時期などのイベント時期にも活躍します。
イベント時期の確認には、LINE 公式の「配信カレンダー」がとても役に立つためご参考にしてください。

クーポン
メッセージ配信で高い支持を得ている「クーポン」機能。
LINE 公式アカウントを友だちに追加しているということは、お店のファンであるという確率が非常に高いと言えます。
クーポンの配信を定期的に実施することでブロック防止や集客につながります。
集客ツールとしてLINE 公式アカウントを活用する場合、友だちでありつづけるメリットとして定期的にクーポンの配信をするようにしましょう。
美容室であれば「お会計から1,000円OFF」「トリートメント無料」、小売販売店であれば「お会計から5%OFF」など、業種ごとにあったクーポンを配信できます。
クーポンは主に以下のようなことができます。
- 抽選機能(当選者数の上限・当選確率1〜99%などの設定)
- 公開設定(全体に公開・友だちのみ)
- 有効期限の設定
- 使用回数の設定
有効期限や抽選機能の設定などを利用することで来客促進になります。
チャット
LINE チャットには以下の選択が可能です。
- 手動チャット
- 手動チャット+応答メッセージ(自動的に返信)
- 手動チャット+AI応答メッセージ
- 手動チャット+応答メッセージ+AI応答メッセージ
チャット機能は、直接友だちと通常のLINEのようなチャットができます。当然のことながら、当事者同士意外にやりとりを見られることはありません。
さらにチャットの送信数は「メッセージ配信」の回数にはカウントされず、無制限で利用できることも嬉しいポイントです。
AI応答メッセージ、スマートチャットとは
AI応答メッセージは、以下のような自動返信ができます。

スマートチャットとは、AI応答メッセージ+手動を組み合わせたチャット方法です。基本的なやりとりはAIに任せ、必要なやり取りを手動で行うというものです。
スマートチャットの設定方法は以下の通りです。
- ホーム
- 設定
- 応答設定
- 基本設定
- 応答モード:チャット
- 応答方法:スマートチャット(AI応答メッセージ+手動)
チャットの注意点
はじめに注意点として、企業や店舗側から友だちに個別にチャットを送ることはできません。友だち側がスタンプやチャットなどの何かしらのアクションを起こすことで、初めて個々のアカウントを認識できる仕組みとなっています。
一度ユーザーからアクションを起こしてもらえれば、企業や店舗側からもチャットを送信できるようになります。
ステップ配信
ステップ配信とは、友だち登録されてから経過日数に応じてメッセージを自動で配信できる設定のことです。
- 友だち登録した日から日数や属性を指定すると配信される
- 事前に設定することで送信のし忘れもない
設定方法
こちらはWeb版での操作となります。
- ホーム
- ステップ配信を作成
タイトル、友だちの条件、追加日、追加経路などを設定していく - 利用開始
リッチメニュー
トーク画面下部に設置されている「リッチメニュー」にはさまざまなアクションボタンの設置が可能です。
リッチメニューに設置できるメニューは、ショップカードやアンケートなどのLINE内部の機能だけではありません。URLを設置することで以下のような外部サービスへの誘導も可能です。
- Webサイト
- 予約サイト
- SNS(Instagramなど)
- App Storeや Google Playなどのアプリのインストール画面
リッチメニューは、基本的には任意のサイズにあった一枚の画像をアップロードします。
そのためにはエリアのサイズに合った画像の制作が必要となります。
一枚の画像を制作することが難しい場合は、ボタンごとに画像を作成する「画像作成ツール(イメージメーカー)」がおすすめです。
リッチメニューは、友だちがトーク画面を開いた際に常に表示しておくか非表示にする選択ができます。
リッチメニューの例






ショップカード
リピーター育成にも役立つ「ショップカード」。
従来であれば独自のスタンプカードを発注していた店舗様も多かったでしょう。しかし今ではLINEがあればすべて完結します。
コスト面での負担も減り友だちにとっても「財布がかさばらない」「忘れる心配がない」など、双方にとってメリットばかりです。
ショップカードを導入されていない店舗様は検討してみてください。

ショップカードのメリット
店舗側
- ショップカードの発注コストが不要
- ショップカードの在庫管理が不要
- 新規顧客の獲得、リピーター育成につながる
- QRコードを読み取ってもらうことで簡単にポイントが付与できる
友だち側
- 財布がかさばらない
- スマホさえあればショップカードを忘れる心配がない
ショップカードの作成方法
- ホーム
- ショップカード
- ショップカードを作成
- ショップカードを設定
デザイン、ゴールまでのポイント数(最大50ポイント)、ゴール特典、背景画像、カード有効期限などを決めます。
※1日に何個もスタンプを取得されないように「ポイント取得制限」の設定を必ず行いましょう。
「0:00にリセット」「指定時間内に同じ友だちへのポイント付与を許可しない」などの設定ができます。 - 保存してカードを公開(すぐに公開されます)
ショップカードのURLをシェアする方法
各SNSでシェアすることもできます。
- ホーム
- ショップカード
- URLをシェアで選択
QRコードの設定方法
QRコードの設定には以下の2種類があります。必要に応じて発行してください。
1.印刷用ポイント付与QRコード
印刷用のQRコードを使用することで、飲食店などでは各席でそのままスタンプを取得することが可能となります。
- ホーム
- ショップカード
- ポイント付与
- QRコードを印刷
- 印刷用ポイント付与QRコードを作成
- 編集画面で各種設定を行う
基本的なポイント付与数(1ポイントなど)、不正利用防止設定を設定します - 設定を保存して印刷
2.ポイント付与QRコード
ポイント付与QRコードは、印刷用と違い「スマホでQRコードを表示させ、QRコードは1回のみ利用できる」という方法です。
再度読み取りする場合は、画面をタップするとQRコードの更新ができます。
- ホーム
- ショップカード
- スマートフォンにQRコードを表示
- ポイント付与QRコードの画面で付与ポイント数を必要であれば変更する
ポイント付与履歴を確認する方法
- ホーム
- ショップカード
- ポイント付与履歴
- 表示期間を選択
ショップカードの公開を停止する方法
注意:一度停止したショップカードは再度公開することはできません。再度ショップカードを作り直す場合は、停止日の翌日以降の作成となります。
- ホーム
- ショップカード
- ショップカード設定
- 下段にあるカードの公開を停止
LINE コール

LINEコールとは通常のLINE 電話のような機能で、無料で通話やビデオ通話を利用することができます(通信料のみ別途発生)。未認証アカウントも利用できます。
商品の使い方や美容用品などの説明、オンラインレッスンなどにはビデオ通話がおすすめです。
さらに、料金プランが有料の「ライトプラン」「スタンダードプラン」であれば無料で任意の電話番号に転送できるため通話料金の節約にもなります。
注意点としてはチャット機能同様、友だち側からアクションを起こしてもらう必要があります。
LINE VOOM
LINE VOOM(旧:タイムライン)とは、主にショート動画などが楽しめる動画プラットフォームです。
2021年の冬に大規模なアップデートが実施され、タイムラインはLINE VOOMへと生まれ変わりました。これにより、LINEはいちチャットアプリから「わかりやすくSNS化した」といえます。
旧タイムラインでは主にリアルな友だちの投稿が多くありましたが、フォロー形式へ変更。これによりフォローしている友だちの投稿のみが表示されるようになりました。
LINE 公式アカウントの友だちと、LINE VOOMのフォローの違いは以下の通りです。
友だち | フォロー | |
---|---|---|
LINE 公式アカウントのメッセージ配信の受信 | できる | できない |
LINE VOOMの「フォロー中」 | 表示されない | 表示される |
集客に活用するには
まだまだ馴染みの少ないLINE BOOMですが、集客で活用するには、友だちにフォローを促すことが大切です。
こうすることで、メッセージ配信とLINE VOOMの双方から来店の訴求することができます。
集客に活用するメリット
LINE VOOMを活用するのであれば以下のような場合がおすすめです。
- 動画投稿をして店舗をアピールしたい
- メッセージの配信数を気にしたくない
- 月の無料配信数が越えてしまった
フォロワーに投稿をシェアしてもらうと、フォロワーのフォロワーまでシェアされるため、上手くいくと認知拡大につながります。
LINE VOOMだけで訴求してしまうと他投稿に埋もれてしまう可能性もあるため、状況に応じてメッセージ配信と使い分けるようにしましょう。
まとめ
今回は、集客に役立つLINE 公式アカウントの機能9選をご紹介しました。
多くの機能を無料で利用できるLINE 公式アカウントは、集客やリピーター育成にとても役立ちますので、活用してみてください。