インターネット広告の中でもリスティング広告は、企業のリード獲得や店舗集客に悩まれている経営者様におすすめの媒体です。リスティング広告を活用することで営業や集客を自動化できるからです。
第1回では広告の事前準備について、第2回ではキーワードのマッチタイプについて解説しました。今回はより具体的な、広告の文字数・広告予算の考え方についてご紹介します。
前回の記事は以下のリンクからチェックできます。
広告の文字数について
キーワード選定が終えたら、広告の見出しや説明文を作成していきます。
リスティング広告や各オンライン広告には文字数の制限があるため、詳細は以下の表をご覧ください。
情報 | サンプル広告 | 最大文字数(半角) | 最大文字数(全角) |
広告見出し3つ (最大15個) | 広告見出し1 広告見出し2 広告見出し3 | 30文字 | 15文字 |
説明文2つ (最大4つ) | 説明文1 説明文2 | 90文字 | 45文字 |
URLのパス2つ | URLのパス1 URLのパス2 | 30文字 | 15文字 |
最終ページURL | https://example.sample-lp.com/ | – | – |
リスティング広告は、広告の見出しや広告文の良し悪しで結果が大きく異なります。
広告見出しや説明文等の各項目にはどのようなフレーズを入稿したら良いのか、具体例を交えながらご紹介します。
広告見出し
広告見出しは最も目立つ要素であり一番目に留まる箇所です。そのため広告見出しには、ユーザーが検索しそうなキーワードを入力するようにしましょう。
Google 広告では「」『』【】《》のような記号を使用することができますので、強調括弧を活用することでクリック率の向上を目指せます。
(例)
- 店名
- 即日見積もり
- 即日対応
- 〇〇探しなら
- (地域名)で〇〇を探すなら
- 〇〇の手続きはこちら
- 【店名】
- 【〇〇を実感】
- 【即日見積もり】
- 【即日対応】
- 【公式】
- 《店名》
- 《〇〇探しなら》
- 《〇〇の手続きはこちら》 など
表示URL
広告主のWebサイトのURLのことです。最終ページURL(ランディングページ)のドメインとパス項目(省略可)に入力されたテキストで構成されます。
下図がパス部分です。パス部分には業種や地域名を入れるのが一般的です。
(例)
- 地域名(都道府県、市区町村)
- 業種 など
説明文
商品やサービスの詳細を記入します。
ターゲットとしているユーザーが、クリックしたくなるようなキーワードを入力しましょう。
(オンラインで商品を販売している場合の例)
- 今すぐ購入
- 今すぐ〇〇を購入 など
(サービスを提供している場合の例)
- Webで24時間来店予約可能
- まずはお見積もりを など
【補足①】レスポンシブ検索広告について
リスティング広告には「レスポンシブ検索広告」と呼ばれる形式の広告があります。
これは、最もクリックされやすい組み合わせを時間の経過とともに Google が自動的にテストし、広告を表示してくれる機能のことです。「最大15個の広告見出し、4つの説明文」を設定します。
すべての広告に表示させたい文言は「広告見出し1・2」「説明文1」にテキストを追加(またはピン留め)します。
検索されたキーワードと広告文の関連性が高い方が広告が配信されやすくなるため、Google は広告見出しや説明文をひとつでも多く設定することを推奨しています。
【補足②】レスポンシブ検索広告のメリット
レスポンシブ検索広告の最大のメリットは、以下のようなものが挙げられます。
- 設定した広告文はデバイスの幅に適応して表示されるため、画面の占有率が高まる
- 最も効果的な広告の組み合わせが自動的に生成されることから、ABテストの時間短縮になる
具体的な例文等は特典の【キャンペーン入力シート】に記載していますのでご活用ください。Google の機械学習を活用し、最適化された組み合わせで広告を配信していきましょう。
広告予算の考え方について
自社での「リスティング広告にかけられる予算はどのくらいが妥当なのか」わからない方も多いのではないでしょうか。
リスティング広告の予算を考える際には以下のような方法が挙げられます。
- 売り上げ目標の○%(3%や5%など)
- 損益分岐点から算出
- 1日の予算から算出
- LTVから算出
LTVについて
広告費を決める際にLTVは、非常に需要な考え方となりますので詳しく触れていきます。
LTV(Life Time Value)とは「顧客生涯価値」という意味です。簡単に言うと「ひとりの顧客が(生涯)どのくらい企業に利益をもたらすのか」をいいます。
「初回半額」「通常価格3,000円が初回申し込み500円」という類の広告を見る機会があるかと思いますが、こちらもLTVを考慮したマーケティング戦略です。
LTVを加味することで、当初は赤字に見えても、リピートしてもらうことで結果的に利益をうめるということに気づきます。
また、購入が一時的にストップしてしまっても顧客リストからDMを送付できるためリマーケティングも可能です。
LTVから算出する方法
たとえばA社という化粧品会社があるとし、A社の平均購入単価等は以下と仮定します。
- 平均購入単価…3,000円
- 粗利率…20%
- 年間の平均販売数…5回
- 平均継続期間…1年
LTVを加味しない場合の目標CPA(1件の顧客獲得単価)
平均購入単価 3,000円×粗利率 20%=目標CPA 600円
LTVを加味した場合の目標CPA(1件の顧客獲得単価)
(平均購入単価×平均販売数×平均継続期間)×粗利率=目標CPA
(3,000円×5回×1年)×20%=目標CPA 3,000円
LTVから広告費を算出すると目先の費用にとらわれずに、1件にかけられる顧客獲得単価がわかります。
購入回数が2回、3回…とリピート回数が増えることで利益も増え続けます。リピーターが増えると新規顧客を獲得するよりも費用を抑えられますが、LTVを加味しなければこのことに気づくのは難しいかもしれません。
このように、LTVから広告費を算出すると将来にわたる利益が可視化できるため、より長期的な戦略を立てることができるようになります。
広告の成果を確認する指標一覧
以下はリスティング広告の成果の確認に使用される用語です。こちらは計算ツール「広告成果の確認表」の指標となっていますので、用語の確認としてもご参考ください。
CPC | クリック単価 | 1クリックごとの費用 | 費用÷クリック数 | 低いほど良い |
CTR | クリック率 | 広告が表示されてクリックされた割合 | クリック数÷インプレッション数※ | 高いほど良い |
CPA | 顧客獲得単価 | 1件の顧客を獲得するためにかかった費用 | 費用÷コンバージョン数 | 低いほど良い |
CVR | コンバージョン率 | 広告が表示されコンバージョンに至った割合 | コンバージョン数÷クリック数 | 高いほど良い |
※インプレッション数…広告が表示された回数のこと
まとめ
今回は全3回に分け、リスティング広告の事前準備について解説しました。
インハウスで広告運用をお考えの方は、ひとつずつ丁寧に分析することでより良い広告運用のスタートダッシュが可能となります。
一方で、簡単にはじめられる分キーワード選定や運用面において多くの専門知識を要します。広告代理店に依頼していた方が結果的にコストを抑えられていたというケースも多いのが実状です。
広告配信を検討中の方は無料の配信シミュレーション等も承っておりますので、ぜひお気軽にご相談ください。