Instagramは、店舗や企業が集客や情報発信を行う上で欠かせないSNSとなっています。
2025年現在、ビジネス活用を検討している方のために、最新のInstagram情報をまとめました。
アカウント設計や運用方針の参考にご活用ください。
ユーザー層について
以下の表は、令和5年度におけるInstagramの利用状況をユーザーの性別、年齢別にまとめたものです。
※Instagramの利用率については、比較するため、本記事公開当初の令和2年度データをそのまま掲載し、新たに令和5年度データを追記しています。
性別
性別 | 利用率 |
---|---|
男性(N=760) | 35.3%→48.8%(+13.5pt) |
女性(N=740) | 49.4%→63.6%(+14.2pt) |
年代別
各年代 | 利用率 |
---|---|
10代 | 71.2%→72.9%(+1.7pt) |
20代 | 63.7%→78.8%(+15.1pt) |
30代 | 46.4%→68.0%(+21.6pt) |
40代 | 34.7%→57.2%(+22.5pt) |
50代 | 30.5%→51.7%(+21.2pt) |
60代 | 23.9%→22.6%(-1.3pt) |
70代 | 11.5%→9.5%(-2.0pt) |
令和2年度から令和5年度にかけて、利用率は男女ともに大きく上昇しました。
年代別では、60代・70代で利用率がやや減少しているものの、10代から50代で利用率が大きく伸び、若年層から中年層への広がりが見られます。
Instagramのリーチ層は若年層だけではなく、幅広い年代へリーチできるSNSであるといえます。
*1 令和2年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書|総務省情報通信政策研究所
*2 令和5年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書|総務省情報通信政策研究所(令和6年6月公開)
プロアカウントとは?
Instagramの「プロアカウント」とは、「ビジネスアカウント」「クリエイターアカウント」の総称です。
個人アカウントとの違いについては、以下の表をご覧ください。
アカウント種類 | 主な使用目的・特徴 |
---|---|
個人アカウント | 一般ユーザー向け。日常の投稿や友人・家族との交流が中心。 プロフィールを「公開・非公開」から選択可能。 |
ビジネスアカウント | 小売店、ローカルビジネス、ブランド、企業や法人、店舗での利用が多い。 広告配信やインサイト分析、連絡先表示、ショッピング機能などが利用可能。 |
クリエイターアカウント | 著名人、アーティスト、モデル、インフルエンサーなど個人の発信者向け。 詳細なインサイトやカテゴリラベル、DM管理機能などが強化されている。 |
アカウント作成の初期設定では「個人アカウント」として登録されます。
プロアカウントでできることは?
仮に個人アカウントで使用していた場合、プロアカウントに切り替えることで、ビジネスに役立つさまざまな機能が利用できるようになります。
そのなかでも、「ビジネスアカウント」と「クリエイターアカウント」で利用できる内容が異なりますのでこちらもご紹介します。
1.インサイト(分析)機能が利用できる
「ビジネスアカウント」と「クリエイターアカウント」の両方で利用できます。
インサイト機能は、投稿ごとやアカウント全体のパフォーマンスを細かく確認できる無料の分析ツールです。
- リーチ数(投稿を実際に閲覧したユニークユーザーの数を示します。例えば、3人の異なるユーザーが投稿を見た場合、リーチ数は3となります)
- インプレッション数(投稿がユーザーに表示された回数を表します。たとえば、3人のユーザーがそれぞれ同じ投稿を2回ずつ見た場合、リーチ数は3、インプレッション数は6となります)
- エンゲージメント(いいね、保存、コメント、シェアなど、ユーザーが投稿に対して行ったアクションの合計を指します)
- プロフィールへのアクセス数
- フォロワーの増減
- フォロワーの年齢・性別・地域・アクティブな時間帯など
データをもとに、どの投稿が多くの人から反響があるか、どの時間帯に「アクティブであるか」などを把握し、運用の改善に役立てられます。
解説 | |
---|---|
リーチしたアカウント数 →主に「アカウント」に対して分析 | ・インプレッション ・アカウントへのアクティビティ ・プロフィールアクセス数 ・ウェブサイトのタップ数 ・[メールを送信]ボタンのタップ数 ・[道順を表示]のタップ数 ・[電話する]ボタンのタップ数 |
コンテンツ(フィードやリール等)でのインタラクション →主に「自分の投稿」に対して分析 | ・投稿でのインタラクション ・いいね!数 ・保存数 ・ストーリーズでのインタラクション数 ・IGTV動画でのインタラクション数 |
オーディエンス(フォロワーが100人以上で表示) →主に「フォロワーの情報」に対して分析 | ・フォロー数 ・フォローをやめた数 ・トップの場所 ・ユーザーの年齢層・性別 ・最もアクティブな時間、曜日 |
2.ビジネス情報を掲載できる
住所・電話番号・メールアドレスの表示は「ビジネスアカウントのみ」で可能です。
一方、Webサイトリンクと複数リンク掲載は両方で利用可能です。
ユーザーがワンタップで店舗へのアクセスや問い合わせ、Webサイトにアクセスできるため売り上げの貢献に役立ちます。
ちなみに、公式サイトやECサイト、キャンペーンページなど複数のリンクをまとめて掲載することも可能です。
「ビジネスアカウント」と「クリエイターアカウント」の違いについては以下の通りです。
機能項目 | ビジネスアカウント | クリエイターアカウント |
---|---|---|
住所表示 | 〇 | × |
電話番号表示 | 〇 | × |
メールアドレス表示 | 〇 | × |
Webサイトリンク | 〇 | 〇 |
複数リンク掲載 | 〇(最大5件) | 〇(最大5件) |
3.投稿の宣伝(広告出稿)ができる
広告の出稿は、主に「ビジネスアカウント」で利用できますが、「クリエイターアカウント」でも一部出稿が可能です。
広告では、ターゲットとなる年齢、性別、地域、興味関心などを細かく設定し、目的に合わせてリーチ拡大やウェブサイト誘導、問い合わせ増加などの目標を選択できます。
「クリエイターアカウント」も一部広告配信が可能ですが、パートナー企業との共同広告などに限定される場合があります。
機能項目 | ビジネスアカウント | クリエイターアカウント |
---|---|---|
広告出稿 | 〇(全般的に可能) | △(一部のみ可能) |
広告ターゲティング設定 | 〇 | △(一部制限あり) |
共同広告(ブランドパートナー) | 〇 | 〇 |

4.ショッピング機能が利用できるようになる
ショッピング機能は、投稿やストーリーズ、リールに商品タグを付けてInstagram上で商品を紹介できるようになります。
「ビジネスアカウント」のみで利用でき、タグをタップするとECサイトやInstagram内ショップに遷移させられます。
ショッピング機能を利用するには、「ビジネスアカウント」への切り替えとFacebookページの連携、商品カタログの登録が必要です。
「クリエイターアカウント」では自身の商品を直接販売するショッピング機能は利用できませんが、ブランドから提供された商品にタグを付けることは可能です。
機能項目 | ビジネスアカウント | クリエイターアカウント |
---|---|---|
ショッピング機能 | 〇 | × |
5.メールボックスが2つ利用できるようになる
DMを「メイン」「一般」の2つの受信ボックスに振り分けて管理できます。
「ビジネスアカウント」と「クリエイターアカウント」の両方で利用でき、重要な連絡や仕事関係は「メイン」、後で確認したいメッセージや通知が不要なものは「一般」に整理できます。
フォローしていないユーザーからのメッセージは「リクエスト」に自動で振り分けられるため、スパムや不要な連絡の整理にも役立ちます。

6.アクションボタンやアカウントカテゴリ設定が利用できるようになる
カテゴリ設定は、「ビジネスアカウント」と「クリエイターアカウント」の両方で利用できます。一方、アクションボタンは「ビジネスアカウントのみ」の機能です。
プロフィールには、業種や活動内容に応じたカテゴリラベル(例:「レストラン」「美容」「小売」「コンサルティング」など)を表示できます。カテゴリラベルは、プロフィール編集画面からいつでも変更や非表示にすることが可能です。
なお、機能の違いとして、「クリエイターアカウント」ではアクションボタンの種類が一部制限される場合があります。
機能項目 | ビジネスアカウント | クリエイターアカウント |
---|---|---|
アクションボタン(予約・注文など) | 〇 | × |
カテゴリ表示 | 〇 | 〇 |


プロアカウントのメリットとデメリットまとめ
プロアカウントのメリットデメリットを以下にまとめたので必要に応じて参考にしてください。
メリット
- 無料で利用できる
広告出稿以外は基本的に無料で使えます。 - ビジネス情報やアクションボタンの追加をできるようになる
問い合わせや予約などの導線を強化できます。 - インサイトが利用できる
フォロワーの属性や投稿ごとの反応を分析し、効果的な施策が可能です。 - ショッピング機能や広告配信
商品販売やターゲット広告で集客・売上アップに直結します。
デメリット
- 非公開にできない
プロアカウントは、非公開(鍵付きアカウント)にできないというデメリットがあります。
もし非公開にしたい場合は個人アカウントに戻すことで非公開設定が可能になります。 - 個人アカウントに戻す際に注意が必要
プロアカウントから個人アカウントに戻すと収集していたインサイトのデータや広告コンテンツが全てリセットされます。
アカウントの切り替え方法
ここでは、個人アカウントからプロアカウントへの切り替え方法、プロアカウントから個人アカウントへの切り替え方法を紹介します。
個人アカウントからプロアカウントへの切り替え方法
- Instagramアプリでプロフィール画面を開く
- 右上の「≡」メニューをタップ
- 「設定」→「アカウント」→「プロアカウントに切り替える」を選択
- 「ビジネス」または「クリエイター」を選択
- 必要なビジネス情報やカテゴリを入力
プロアカウントから個人アカウントに戻す方法
- プロフィール画面右上の「≡」をタップ
- 「設定」→「アカウント」→「アカウントタイプを切り替え」
- 「個人用アカウントに切り替える」を選択
※個人アカウントに戻すと、インサイトデータや広告設定は失われます。
まとめ
Instagramビジネスアカウントは、集客やマーケティング、情報発信、商品販売など、ビジネス成長に直結する多彩な機能を無料で利用できます。
個人アカウントとの切り替えも簡単で、目的に応じて柔軟に運用可能です。
2025年現在も機能強化が続いており、ビジネス活用の幅はますます広がっています。
Instagramを効果的に活用し、ブランドの認知拡大や売上アップにつなげましょう。