目次
リスティング広告とは
リスティング広告とは、インターネット広告(WEB広告)の一種です。
ユーザー(見込客)が検索したキーワードに基づいてテキスト式の広告が表示される仕組みで、「検索連動型広告」ともいいます。
代表的なものは Google の「リスティング広告」とYahoo! の「検索広告」が挙げられます。「いま知りたいこと」に対しての広告が表示されるため、費用対効果は高い傾向にあります。
リスティング広告をクリックすると、主に「ランディングページ」と呼ばれるコンバージョン(成果)を獲得するためのページに遷移します。
コンバージョンはサイトにより異なりますが、主に「商品購入や資料請求、電話・メール問い合わせの獲得」などを目標とすることが多いです。
国内での検索エンジンシェアは Googleが約75%、Yahoo!で約15%となっています。
そのため、 Google かYahoo! のどちらかでリスティング広告を出稿していると国内の大半のユーザーへ訴求できるということになります。
シェアの高さから Google のリスティング広告を優先して配信することをおすすめしますが、Yahoo! の検索広告の方が費用対効果が高いケースもあります。
今回はシェアの高い Google リスティング広告を中心に解説していきます。
クリック単価とは
クリック単価とは、広告を1クリックした際にかかる費用のことです。
インターネット広告は「表示されているだけ費用が発生する」と思われがちですが、リスティング広告はクリックされなければ料金は発生しません。
また、無効なクリックや悪質なクリックはカウントされない仕組みとなっているので大変合理的です。
クリック単価の目安
リスティング広告におけるクリック単価の平均額は、100〜500円ほどと言われています。
しかし、業種やキーワード、市場の変化により変動するため一概には言えませんのであくまで目安としてお考えください。
キーワード(業種)ごとのおおよそのクリック単価については、以下をご覧ください。
業種別 クリック単価の目安
キーワード | クリック単価(目安) |
---|---|
ファッション | 20〜142円 |
ペットホテル | 22〜77円 |
トリミングサロン | 12〜91円 |
歯科医院 | 61〜391円 |
クリニック | 212〜1,012円 |
美容院 | 66〜204円 |
脱毛サロン | 193〜815円 |
フィットネス | 85〜274円 |
弁護士 | 130〜406円 |
行政書士 | 180〜694円 |
リフォーム | 148〜576円 |
人材派遣 | 212〜1,606円 |
自動車 | 33〜404円 |
自動車学校 | 43〜148円 |
結婚相談所 | 508〜2,022円 |
キーワードによるクリック単価の変化
キーワードによるクリック単価の変化について解説します。
まず「保険」というキーワードを見てみましょう。
同じ「保険」というキーワードであっても、以下のように「自動車保険」というキーワードにするとクリック単価は高額になります。
キーワード | クリック単価(目安) |
---|---|
保険 | 183〜603円 |
自動車保険 | 680〜2,212円 |
続いて、「塾」というキーワードを見てみましょう。
キーワード | クリック単価(目安) |
---|---|
学習塾 | 169〜592円 |
小学生 塾 | 216〜859円 |
中学生 塾 | 264〜1,297円 |
高校生 塾 | 176〜743円 |
予備校 | 180〜492円 |
関連されたキーワードであっても、クリック単価は大きく異なります。
基本的に、競合の多い業種や利益率の高い業種はクリック単価が高騰になる傾向にあります。
本データは Google のキーワードプランナーを利用したものです(2022年9月現在)。
クリック単価の決まり方
リスティング広告が配信されるまでの仕組みとして「広告オークション」というものがあります。
広告オークションのしくみ
ユーザーが Google で検索をする度に、広告はオークションにかけられます。オークションでは「広告の掲載順位、または掲載をしない」ということを決めています。
掲載順位は、Google では「広告ランク」Yahoo! では「オークションランク」といいます。
リスティング広告は、広告枠内で上位表示されるほどクリック率は高まると言われています。
広告ランク
「入札単価 × 品質スコア + 広告表示オプション等の要素」
品質スコア
品質スコアとは「推定クリック率」「広告の関連性」「ランディングページの利便性の高さ」の要素から、広告の品質を10段階の数値で表したもので、数値が高いほど高品質とされています。
Yahoo! 広告では品質インデックスといいます。
広告ランクは、以下の様に求められます。
広告主 | 上限クリック単価(入札単価) | 品質スコア | 広告ランク | 掲載順位 |
---|---|---|---|---|
A社 | 100円 | 7 | 100×7=700 | 2位 |
B社 | 200円 | 3 | 200×3=600 | 3位 |
C社 | 350円 | 5 | 350×5=1750 | 1位 |
上限クリック単価(1クリックにかけてもいい上限金額)を上げると広告ランクは上がります。
しかし、金額だけ上げてしまうと公平性は保たれなくなるため品質スコアがあります。
上記の表にあるとおり、A社とB社を比較した際に
- A社は上限クリック単価が低いが品質スコアが高い
- B社はA社よりもクリック単価は高いが品質スコアが低い
ということがわかります。
ただ単に入札単価を上げれば良いというわけではないという仕組みとなっています。
リスティング広告のメリット
リスティング広告のメリットは
- 費用対効果が高い
- 広告をクリックされなければ料金が発生しない
- 広告の改善がしやすい
ということが挙げられます。それぞれ解説します。
費用対効果が高い
顕在層に広告をリーチするため、費用対効果が高く成果につながりやすいというメリットがあります。リスティング広告とその他WEB広告の違いについては以下をご覧ください。
広告媒体 | ターゲット層 | 性質 |
---|---|---|
リスティング広告 | 顕在層 | 知りたいことや必要なものがはっきりしている、購買意欲の高いユーザーにリーチできる |
ディスプレイ広告 | 潜在層〜準潜在層 | 商材の認知を高めたいときなどの潜在層ユーザーにリーチできる |
広告をクリックされなければ料金は発生しない
先述のとおり、リスティング広告はクリックされなければ料金は発生しません。
表示されているだけでは費用が発生しないため、無駄が少なく購買意欲の高いユーザーに訴求できます。
広告の改善がしやすい
WEB広告は配信の開始や停止をリアルタイムで反映することができます。
四大マスメディアなどの広告とは違い、改善しやすいという点がメリットでしょう。
リスティング広告のデメリット
リスティング広告は比較的デメリットの少ない広告ですが、以下のようなデメリットが挙げられます。
- キーワードによってはクリック単価が高騰しやすい
- 潜在層ユーザーにはリーチできない
それぞれ解説します。
キーワードによってはクリック単価が高騰しやすい
先ほど記載したクリック単価の一覧表のように、キーワードによってはクリック単価が高騰しやすい傾向にあります。
しかしキーワードプランナーの関連された候補を探して出稿することで、クリック単価を抑えることもできます。
潜在層ユーザーにはリーチできない
リスティング広告は「(関連)キーワードを検索」しなければ広告は表示されないため、潜在層ユーザーに訴求することはできません。
ほぼ無関心〜興味関心がある潜在層ユーザーには、バナーやHTML5などの視覚的に訴求できるディスプレイ広告の出稿を検討しましょう。
クリック単価・広告費用(目安)の調べ方
ここからはクリック単価や、広告費用の目安についての調べ方をご紹介します。
キーワードプランナー
一般的に、クリック単価を調べるには Google キーワードプランナーを使用します。
キーワードプランナーの使い方は簡単です。
① Google 広告にログインする
②ツールと設定を選択
③キーワードプランナーを選択
④検索のボリュームと予測データを確認するを選択
⑤業種などのキーワードを入力し開始するを選択
⑥左側の予測を選択
⑦平均クリック単価やおおよそのクリック数、費用の目安などが表示される
⑧今回は一般的に言われているコンバージョン率(1〜3%)の数値をそれぞれ入れています
平均クリック単価:46円、費用:75,000円の場合
- コンバージョン数:16〜49件
- コンバージョン単価(1件のコンバージョンを獲得するために必要な単価):4,600〜2,400円
となります。
リスティング広告は予算に応じて広告の出稿ができるため、理論上一日の予算は1円からでも可能です。
しかし、一般的なコンバージョン率はおおよそ1〜3%、クリック単価約100〜500円ほどです。
一ヵ月で希望するコンバージョン(成果)数から逆算すると、広告費の概算を算出することができます。
無料ツール「キーワード分析ツール」
先述した「Google 広告アカウント」をお持ちでない場合は「キーワード分析ツール」を活用してみてください。
おおよそのクリック単価(CPC)を調べたり、キーワード同士の検索ボリュームの比較をしたりすることができます。
①キーワード検索で「地域+業種、サービス名、品名」などを入力します。検索結果には関連キーワードも多く出てくるため、はじめは大まかなキーワードで結構です。
②分析結果では「キーワード」「検索ボリューム」などの比較ができます。
検索ボリュームのあるキーワードはクリック単価が高騰する傾向にありますが、必ずしもそうではありません。
しかしリスティング広告の運用面においては「検索ボリュームがある程度ある中でも、CPCの低いキーワードを入れる」ということが肝であるといえます。
キーワードプランナーの方が正確ですので、こちらはキーワードの調査や検索ボリュームのおおよその比較としてご利用ください。
代理店に依頼するメリットとは
はじめてインハウスでリスティング広告を運用する場合、シェアの高さなどから Google で広告を配信してみることをおすすめします。
しかし冒頭に記載したとおり、Yahoo! 検索広告の方が費用対効果が高いケースもあります。慣れてきてからYahoo! 検索広告と予算配分をし、二媒体で出稿すると良いでしょう。
代理店に依頼するメリットとしては「ノウハウがあるため費用対効果の高いキーワードの選別や運用が可能」「代理店に依頼することで本業に集中できる」などが挙げられます。
デメリットとしては「手数料がかかる」「社内にノウハウが残らない」というところでしょうか。
リスティング広告は早ければ即日から効果を実感することができますが、実際に運用するとなるとキーワード選定やさまざまな専門知識を要し複雑な設定が必要となります。
手数料を支払ってもプロに任せた方が結果的に安く済むということが多いため、気になる方は一度ご相談してみてはいかがでしょうか。
まとめ
今回は、リスティング広告の費用目安の求め方やリスティング広告のメリットなどについてご紹介しました。
自社商材を顕在層ユーザーへ訴求する際には、リスティング広告の配信をご検討ください。売り上げアップへの大きな近道となります。
計算方法やその他のご不明点はお気軽にご相談くださいませ。