インターネット広告の一種であるリスティング広告。
「Web広告を始めようと思ったら、リスティング広告という言葉が出てきたけど、いまいちピンとこない」「リスティング広告って実際どんなものなの?」そんな疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
この記事では、リスティング広告の基本から、以下のポイントについて詳しく解説していきます。
目次
リスティング広告とは
リスティング広告は、検索エンジン(検索窓)で入力したキーワードに応じて表示されるテキスト形式の広告です。

ネットでの検索キーワード | 表示されるリスティング広告 |
---|---|
「札幌 整骨院」 | 主に「札幌」でリスティング広告を出稿している「整骨院」 |
「札幌 中古車」 | 主に「札幌」でリスティング広告を出稿している「中古車販売店」 |
「札幌 動物病院 」 | 主に「札幌」でリスティング広告を出稿している「動物病院」 |
設定したキーワードに対して広告を表示させるため、検索連動型広告ともいいます。Yahoo!では「検索広告」という名称が使われていて、「いま」情報を求めている方に広告を表示させます。
主にリスティング広告はGoogle とYahoo! の2種類が存在しますが、多くの方がGoogle検索エンジンを利用している現状を踏まえ、ここではGoogleリスティング広告を中心に解説していきます。
リスティング広告の掲載場所
2媒体のそれぞれの掲載イメージをご紹介します。
Google 検索広告の掲載イメージ
見出し、説明文、リンク先のURLで構成されており、検索結果に自然に溶け込むデザインとなっています。


Yahoo! 検索広告の掲載イメージ
Yahoo! の検索広告も、Googleと同じ構成となっています。

自然検索とは
自然検索とは、検索結果ページで広告枠を除いた部分を指します(オーガニック検索やナチュラル検索とも呼ばれます)。
詳細は以下の画像をご確認ください。

SEO対策について
SEO対策とは、広告を使わずに自然検索結果で上位表示を目指す取り組みのことです。SEOは「Search Engine Optimization」の略で、直訳すると「検索エンジン最適化」を意味します。
主にウェブサイトやコンテンツの制作において活用されることが多い施策となります。
メリットとデメリット
SEO対策の目的でありメリットは、主に3点です。
- 自社の商材を認知していなくても見込客をWebサイトに取り込める
- 上位に表示されることで広告費用をかけずに継続的な集客効果が見込める
- 運用を続けることでコンテンツを資産化することが可能になる
デメリットとしては主に以下の2点です。
- 検索順位の向上には時間がかかり、成果が目に見えるまでには最短でも3ヶ月、長い場合は1年程度必要
- SEO施策は広告と異なり、問題点の特定が難しいため、改善策を講じるのに苦労することがある
記事やブログを上位表示させるためには?
検索結果であなたが発信した記事等を上位に表示されるためには、Webサイト構築時の内部SEO対策と、公開後の外部SEO対策の両方が欠かせません。
特にブログなどで「読者に価値ある情報を届ける」ことが重要です。詳細は以下の記事をチェックしてみてください。
検索順位の決まり方は?
検索エンジンの順位決定基準や算出方法は非常に複雑で、200を超える要素が関わっているとされています。
ただし、その多くが非公開情報であるため、「これさえすれば確実に上位表示できる」という魔法のような方法は存在しません。そのため、リスティング広告と比較すると、即座に効果が現れにくい傾向があります。
なお、Yahoo!のSEO対策については、Googleのアルゴリズムを採用しているため、ほぼ同じアプローチで問題ありません。
リスティング広告と自然検索の違い
リスティング広告と自然検索の違いは以下の通りです。
項目 | リスティング広告 | 自然検索(SEO対策) |
---|---|---|
料金体系 | クリック単価制(悪質なクリックは除外) | 無料(ただし対策コストは別) |
効果測定と改善 | PDCAサイクルを回しやすい | 原因特定が難しい場合がある |
効果の表れ方 | 即日〜3ヶ月程度で効果が出やすい | 3ヶ月〜1年程度かかることが多い |
長期的な効果 | 広告停止をすると流入が止まる | 一定期間上位表示が継続しやすい |
クリック単価制とは?
リスティング広告では「クリック単価制」という課金方式が採用されていて、広告をクリックした時にのみ料金が発生します。
広告が表示されただけでは一切費用がかからないため、効率的な広告運用が可能になります。
リスティング広告とディスプレイ広告の違い
リスティング広告とディスプレイ広告の違いは以下の通りです。
項目 | リスティング広告 | ディスプレイ広告 |
---|---|---|
配信形式 | テキスト形式(最近では画像追加も可能) | 主に画像・動画 |
リーチ | 「いま」情報を求めている顕在層の人に訴求 | 幅広く潜在層の人に訴求 |
課金方式 | クリック単価制(CPC) | ①クリック単価制(CPC) ②インプレッション単価制(CPM) |
費用面 | 50〜1,000円/1クリック ディスプレイ広告と比較すると高い傾向にある | ①50〜100円/1クリック ②100〜500円/1,000回表示 リスティング広告と比較すると安い傾向にある |
クリック単価(CPC)について
クリック単価(Cost Per Click)は、1回のクリックで発生する金額を指します。広告主は1クリックあたりの上限金額を設定でき、その金額を超える請求は発生しません。
クリック単価は以下の計算式で求められます。
クリック単価 = 広告費用 ÷ クリック数
一般的に、クリック単価が低いほど広告の費用対効果が高まります。賢く設定することで、限られた予算でも効果的な広告運用が可能になるでしょう。
インプレッション単価制(CPM)について
インプレッション単価制(Cost Per Mille)は、広告が1,000回表示されるごとに発生する費用を指します。広告主は1,000インプレッションあたりの上限金額を設定でき、その金額を超える請求は発生しません。
CPMは以下の計算式で求められます。
CPM = (広告費用 ÷ インプレッション数) × 1,000
一般的に、CPMが低いほど広告の費用対効果が高まります。適切に設定することで、限られた予算でも効果的な広告運用が可能になるでしょう。
広告費用は業界や提供するサービス、競合状況、使用するキーワードなどの要因で大きく変動します。そのため、具体的な金額を一概に示すのは難しいです。
実際の費用は、状況に応じて大きく変わる可能性があります。
リスティング広告と四大マスメディアの違い
リスティング広告と従来の四大メディア(新聞、雑誌、テレビ、ラジオ)を比較すると、以下のようになります。
項目 | リスティング広告 | 四大マスメディア |
---|---|---|
掲載場所 | Google、Yahoo!の検索結果画面 | テレビ、ラジオ、新聞、雑誌(各メディアを見なければ伝わらない) |
改善性 | ○(PDCAサイクルを回しやすい) | ×(一度出稿すると訂正が困難) |
即効性 | ○(即日〜3ヶ月程度で効果が出やすい) | △(認知度向上に時間がかかり、費用も高額。効果検証も難しい) |
ターゲティング | 検索キーワードに基づき、興味関心の高い方に配信可能 | 不特定多数へ幅広く訴求 |
コスト | クリック単価制で、比較的低コストから始められる | 高額な初期投資が必要 |
効果測定 | 詳細なデータ分析が可能 | 正確な効果測定が難しい |
リスティング広告と四大マスメディアを分ける最大の特徴は、「ターゲットとしている見込み客に絞った広告配信が可能かどうか」という点にあります。
さらに、両者には次のような顕著な違いもあります。
- リスティング広告:広告文を随時修正できるため、効果検証と改善が容易に行える
- 四大マスメディア:広告出稿後の修正が難しく、改善サイクルを回しにくいという特性がある
リスティング広告が配信されるまで
広告オークションのしくみ
検索広告が表示されるまでには、公平性を確保するためのしくみとなっています。
ネット検索するたびに「広告オークション」がされていて、このオークションで算出される「広告ランク」に基づいて表示される広告が決まります。
なお、Yahoo!広告では同様の指標を「オークションランク」と呼んでいます。
広告ランク(広告の掲載順位や表示可否を決定する重要な指標)
「入札単価 × 品質スコア + 広告表示オプション等の要素」
オークションランクは上記の計算で算出され、数値が高いほど上位に表示される可能性が高まります。
2025年1月からはYahoo!広告において、広告の関連性の精度向上を目的とした指標の見直しが順次適用されています。
品質スコア
品質スコアは、広告の品質を評価する10段階の指標です。数値が高いほど評価が高く、Yahoo!広告では品質インデックスと呼ばれています。
リスティング広告の品質スコアは、主に以下の3つの要素で決まります。
- クリック率(CTR)
広告が表示されてクリックされた割合を示します
計算式:クリック率 = クリック数 ÷ インプレッション数 - 広告の関連性
ネットでの検索キーワードと広告のマッチ度を評価します - ランディングページの利便性
検索者にとって使いやすいランディングページかどうかを判断します
広告ランクは、上限クリック単価と品質スコアの掛け算で算出されます。
広告主 | 上限クリック単価 | 品質スコア | 広告ランク | 掲載順位 |
---|---|---|---|---|
A社 | 200円 | 5 | 1000 | 3位 |
B社 | 400円 | 3 | 1200 | 2位 |
C社 | 300円 | 7 | 2100 | 1位 |
上記のようにリスティング広告では、掲載順位が高いほど上位に表示されるようになっています。上位表示を狙う理由は、クリックされる可能性が高まるためです。
高品質なコンテンツを持つサイトが適切に評価されるために、単に入札単価を上げるだけでなく、広告の品質も重要な要素となっています。
効果的な広告運用には、入札単価と広告品質のバランスが重要です。
リスティング広告の構成
リスティング広告は、主に以下の4点から構成されています。
- 見出し
構成要素 | Google・Yahoo! |
---|---|
見出し1(Yahoo!ではタイトル) | 半角30文字まで |
見出し2 | 半角30文字まで |
見出し3(Googleのみ) | 半角30文字まで |
- 説明文
構成要素 | Yahoo! | |
---|---|---|
説明文1 | 半角90文字まで | 半角80文字まで |
説明文2 | 半角90文字まで | 半角80文字まで |
- 表示URL
構成要素 | Google・Yahoo! |
---|---|
表示URL(Yahoo!ではパス) | 半角15文字まで |
※見出し3と説明文2は、必ずしも表示されるわけではありません。
- 広告表示オプション
上記3つの要素に加えて、広告ランクと掲載位置が十分に上位の場合に表示されます。
Googleでは、住所表示オプション、価格表示オプション、電話番号表示オプションなどが含まれます。
まとめ
リスティング広告の活用により、「いま」情報を探している方にピンポイントで広告を届けることができ、効果的なマーケティング戦略を展開できます。
リスティング広告、ディスプレイ広告、SEO対策など様々なデジタルマーケティング手法がありますが、本記事を参考に、あなたのビジネスに最適なプロモーション方法を見つけてください。
当社ではリスティング広告の運用支援も承っておりますので、お困りの際はぜひお気軽にご相談ください。